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獣医師国家試験 外科|頻出テーマ完全攻略ガイド【第77回分析つき】

#獣医師国家試験#外科#GDV#前十字靭帯断裂#BOAS#環椎軸椎不安定症#巨大結腸症#国試対策

はじめに:外科は「画像+疾患+治療」のセットで問われる

獣医師国家試験の外科分野は、画像所見から疾患を診断し、適切な治療法を選択するという一連の流れで出題されるのが大きな特徴です。第77回では1つの症例に対して2問セットで出題されるパターンが多く、「診断→治療」の論理的思考が求められました。

この記事では、第77回の出題内容を詳しく分析し、頻出テーマ5つを深掘りして解説します。


出題傾向と配点比率

第77回の外科関連出題を分析すると、以下のような傾向が見えてきます。

分野主な出題テーマ出題形式
小動物軟部外科GDV、胆囊粘液嚢腫、BOAS、巨大結腸症画像診断+治療選択
小動物整形外科前十字靭帯断裂、環椎軸椎不安定症、骨肉腫X線読影+併発症+術式
大動物外科馬の手根骨骨折、馬の開腹手術、去勢器具画像読影+器具の同定

外科分野は必須問題・学説問題の両方に登場し、全体の約10〜15%を占めると推定されます。特に小動物外科の比重が高く、画像問題が頻出です。


頻出テーマ5選と攻略ポイント

1. 胃拡張捻転症候群(GDV)

GDV(Gastric Dilatation-Volvulus) は胃がガスで拡張し、さらに捻転を起こす緊急疾患です。 出題のポイント:
  • 好発犬種:グレート・デーン、ジャーマン・シェパードなど大型・超大型の胸深犬種
  • X線所見:側方像で ダブルバブルサイン(ガスで拡張した胃体部と幽門部が重なり合い、軟部組織の帯状構造で分割されて見える像)が決定的所見
  • 治療の流れ:①輸液・ショック治療(初期安定化)→②減圧(経口胃チューブまたは経皮的トロカール)→③外科的整復+胃固定術(gastropexy)

暗記のコツ:「ダブルバブル→ショック治療→減圧→胃固定」の4ステップを順番に覚えましょう。GDVは治療の順序を問う問題が頻出です。


2. 前十字靭帯断裂(CrCL rupture)と内側半月板損傷

前十字靭帯断裂は大型犬・高齢犬に好発する最も一般的な後肢跛行の原因の一つです。 出題のポイント:
  • X線所見関節液貯留による関節包の膨隆(fat pad signの消失)、慢性例では骨棘形成
  • 触診所見脛骨前方引き出し試験(cranial drawer test)脛骨圧迫試験(tibial compression test) が陽性
  • 最重要な併発症内側半月板損傷 — 手術時には必ず半月板の評価が必要
  • 代表的な術式:TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)、TTA(脛骨粗面前進化術)、関節外安定化術

暗記のコツ:「前十字が切れたら内側半月板を疑え」をセットで覚えます。半月板損傷を見逃すと術後の跛行が改善しないという臨床的重要性が問われます。


3. 短頭種気道症候群(BOAS)

BOAS(Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome) はフレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリアなどに好発する上部気道閉塞の総称です。 出題のポイント:
  • 4大構成要素:①外鼻孔狭窄、②軟口蓋過長、③喉頭小囊外反、④喉頭虚脱
  • 一次性病変と二次性病変の区別
- 一次性:狭窄性鼻孔・軟口蓋過長・気管低形成(先天的な解剖学的異常)

- 二次性:喉頭小囊外反・喉頭虚脱(慢性的な陰圧による変化)

  • まず実施すべき治療狭窄性鼻孔切除術(wedge resection)+軟口蓋切除術(staphylectomy) — 一次性病変の外科的矯正が優先

暗記のコツ:「一次性を先に治す→二次性の進行を防ぐ」という治療戦略が問われます。披裂軟骨側方化術や永久気管造瘻術は、喉頭虚脱が進行した末期症例に対する最終手段です。


4. 環椎軸椎不安定症(環軸亜脱臼)

環椎軸椎不安定症は第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)の間の不安定性により脊髄が圧迫される疾患です。 出題のポイント:
  • 好発犬種:チワワ、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、トイ・プードルなど小型犬の若齢個体
  • 原因:軸椎の歯突起の無形成・低形成、靭帯の脆弱性(先天性が多い)
  • 症状:頸部痛、四肢の運動失調(ふらつき)、重症例では四肢麻痺
  • X線所見:側方像で環椎と軸椎の背側間隙の拡大(正常では密接)
  • 治療法:内科的管理(頸部固定・安静・消炎鎮痛)or 外科的固定術(腹側固定法:スクリュー+骨セメント等) — 神経症状が進行する場合は手術が推奨

暗記のコツ:「小型犬+若齢+頸部痛+ふらつき=環軸不安定症」のキーワードセットで瞬時に想起できるようにしましょう。


5. 大動物外科(馬の骨折・去勢・開腹手術)

大動物外科は毎年一定数が出題されます。第77回では3つの異なるテーマが登場しました。

#### ① 馬の第三手根骨スラブ骨折

  • サラブレッド競走馬で最も頻度の高い手根骨骨折
  • 背内側−掌外側斜位像で骨折線が明瞭に描出される
  • 治療はラグスクリューによる内固定

#### ② 馬の開腹手術と大結腸の外貌

  • 大結腸には4本の結腸紐(テニア)膨起列(ハウストラ) がある
  • 外貌からの部位同定が問われた — 結腸紐とハウストラの有無で大結腸・小結腸・小腸を区別

#### ③ 去勢器具

  • エマスキュレーター:観血去勢で精索を圧挫しながら切断する器具
  • バルディゾー(Burdizzo):無血去勢で精索を経皮的に圧挫する器具(皮膚は切開しない)

暗記のコツ:大動物外科は器具と解剖の写真問題が多いため、アトラスや器具図鑑で視覚的に覚えることが効率的です。


勉強法・暗記のコツ

ステップ1:「疾患カード」を作る

外科分野は疾患ごとに以下の項目をカード化すると整理しやすくなります。

項目記載内容
疾患名日本語+英語略語
好発動物・品種・年齢例:大型犬・高齢
主訴・症状例:後肢跛行
画像所見例:ダブルバブルサイン
治療法(順序)例:安定化→減圧→手術
併発症・注意点例:内側半月板損傷

ステップ2:画像問題は「パターン認識」で攻略

X線・エコー画像は繰り返し見ることで読影スピードが上がります。過去問の画像を集めて、疾患名を隠した状態で診断名を当てるトレーニングが効果的です。

ステップ3:治療は「優先順位」を意識する

外科の選択肢には「適切でないもの」を選ばせる問題も多く出ます。治療の適応・禁忌・順序を正確に把握することが得点に直結します。

  • GDV:まずショック治療(いきなり手術はNG)
  • BOAS:まず一次性病変の矯正(いきなり気管造瘻はNG)
  • 胆囊粘液嚢腫胆囊切除術が根治治療(内科のみでは不十分)
  • 骨肉腫の孤立性肺転移肺葉切除が推奨

ステップ4:大動物は「出る部分だけ」集中攻略

大動物外科は範囲が広いものの、出題はパターン化されています。馬の疝痛手術・骨折・去勢器具、牛の変位・去勢に絞って対策すれば効率的です。


まとめ

外科分野の攻略ポイントを最後に整理します。

  • GDV:ダブルバブルサイン → ショック治療 → 減圧 → 胃固定術
  • 前十字靭帯断裂:大型犬・高齢 → 引き出し試験 → 内側半月板損傷の併発を忘れない
  • BOAS:一次性病変(鼻孔+軟口蓋)を先に治す → 二次性病変の進行を予防
  • 環椎軸椎不安定症:小型犬・若齢 → 頸部痛+ふらつき → 腹側固定術
  • 大動物外科:エマスキュレーター vs バルディゾー、馬の結腸解剖

外科は暗記だけでなく臨床的な思考力が問われます。「なぜその治療を先にするのか」「なぜその併発症が起こるのか」を常に考えながら学習することで、応用問題にも対応できる力がつきます。

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