【2025年版】獣医師国家試験「内科」完全攻略ガイド|頻出テーマと勉強法を徹底解説
はじめに:内科は国試の「主戦場」
獣医師国家試験において、内科(臨床系科目)は出題数が最も多い分野の一つです。小動物・大動物を問わず、症例ベースの問題が中心となるため、単なる暗記だけでは太刀打ちできません。
本記事では、第77回の出題傾向を徹底分析し、頻出テーマの解説から具体的な勉強法まで、合格に必要な情報をすべてお伝えします。
出題傾向と配点比率
内科分野の出題構成
第77回の出題を分析すると、内科分野は以下のような配分で出題されています。
| カテゴリ | 出題割合(目安) | 主な対象動物 |
|---|---|---|
| 小動物内科(犬・猫) | 約50〜60% | 犬が最多、猫も頻出 |
| 大動物内科(牛・馬) | 約20〜30% | 牛が中心 |
| 血液・免疫疾患 | 約15〜20% | 犬が中心 |
| 臨床推論・検査解釈 | 約10〜15% | 動物種横断 |
特に注目すべきポイントは以下の3点です。
- 症例ベース問題が大半:X線画像・血液検査表・ROC曲線など、資料読解力が問われる
- 犬種・猫種の好発疾患が頻出:品種を見ただけで疾患を絞り込める問題が多い
- 内科と病理・薬理の融合問題が増加傾向:治療薬の選択や病態の理解が同時に問われる
頻出テーマ5選と徹底解説
1. 内分泌疾患(副腎皮質・甲状腺)
第77回では副腎皮質機能低下症(アジソン病)と副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の両方が出題されました。
最重要ポイント:Na/K比- Na/K比 < 27 → 副腎皮質機能低下症を強く疑う
- 典型像:低Na・高K・低Cl・高Ca・低血糖
- BUN上昇は腎前性(循環血液量低下)によるもの
| 検査法 | 目的 |
|---|---|
| ACTH刺激試験 | 副腎予備能の評価(スクリーニング) |
| 低用量デキサメタゾン抑制試験(LDDST) | 確定診断に最も有用 |
| 高用量デキサメタゾン抑制試験(HDDST) | 下垂体性 vs 副腎性の鑑別 |
暗記のコツ:「アジソンはナトカリ逆転(Na↓K↑)、クッシングはLDDSTで確定」と覚えましょう。
2. 血液・免疫疾患(IMHA・免疫介在性好中球減少症)
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)は国試で繰り返し出題される超頻出テーマです。 IMHAの診断ステップ- 可視粘膜蒼白+黄疸 → 溶血を疑う
- 球状赤血球の出現(スメア検査)
- スライド凝集試験:EDTA加血液をスライドに滴下 → 凝集あり → 生食希釈しても解除されない=真の自己凝集
- 直接クームス試験陽性
- 末梢血:好中球が著明に減少
- 骨髄検査:顆粒球系前駆細胞は存在するが、成熟段階で破壊される(成熟停止)
- 他の血球系は正常 → 汎血球減少ではない点に注意
暗記のコツ:「IMHA=球状赤血球+生食で解除されない凝集+クームス陽性」の3点セットで即答。
3. 心疾患(拡張型心筋症・後大静脈症候群)
犬の拡張型心筋症(DCM)第77回では、穀物フリー食(グレインフリーダイエット)との関連が示唆される出題がありました。
- FS(左室内径短縮率)低下+心室拡大 → 収縮不全
- 機能的僧帽弁逆流による弱い全収縮期雑音
- 好発犬種:大型犬(ドーベルマン、グレートデン、アメリカン・コッカー・スパニエルなど)
- 近年、タウリン欠乏との関連が注目されている
- 鼻出血+発熱+肝臓の限局性病変 → 肝膿瘍が後大静脈に波及
- 膿瘍塞栓が肺動脈へ → 肺動脈の細菌性動脈瘤 → 破裂して鼻出血
- 原因菌:Fusobacterium necrophorum(ルーメンアシドーシスが背景)
暗記のコツ:「牛の鼻出血=肝膿瘍→後大静脈→肺→喀血」のドミノ倒し式で記憶。
4. 腫瘍・腫瘍随伴症候群
犬の多中心型リンパ腫- 体表リンパ節の無痛性腫大が典型
- 治療選択肢の比較が頻出:
| 治療法 | 奏効率 | 生存期間中央値 |
|---|---|---|
| CHOP系多剤併用 | 約80〜90% | 12〜14か月 |
| プレドニゾロン単剤 | 約50% | 1〜2か月 |
- 肥大性骨症(HO):肺の占拠性病変(原発性肺腫瘍が最多)に伴い、四肢遠位長管骨の骨膜に柵状の骨膜反応(パリセード状新生骨) → 「前肢が太くなった」が手がかり
暗記のコツ:「リンパ腫はCHOPで1年、プレドニゾロン単独は1〜2か月」と数字で覚える。
5. 猫の特徴的疾患(多発性嚢胞腎・巨大結腸症)
多発性嚢胞腎(PKD)- ペルシャ猫で好発(常染色体優性遺伝)
- 原因遺伝子:PKD1
- 肝嚢胞を伴うことがある
- 進行性 → 最終的に慢性腎臓病(CKD)に至る
- 猫の慢性便秘の最多原因
- 約60%が特発性(結腸平滑筋の機能障害)
- X線で結腸の著明な拡張+糞塊貯留が特徴的
- 重症例では結腸亜全摘術が必要
暗記のコツ:「ペルシャ=PKD=PKD1遺伝子」「猫の便秘=巨大結腸=6割が特発性」とキーワードを直結。
勉強法・暗記のコツ
① 品種×疾患マッピングを作る
国試では動物種・品種名が最大のヒントになります。以下のような一覧表を自作しましょう。
| 品種 | 好発疾患 |
|---|---|
| ペルシャ猫 | 多発性嚢胞腎(PKD) |
| ドーベルマン | 拡張型心筋症(DCM)、フォン・ヴィレブランド病 |
| キャバリア | 僧帽弁閉鎖不全症(MMVD) |
| ゴールデン・レトリーバー | リンパ腫、肥満細胞腫 |
| マルチーズ | 門脈体循環シャント |
② 検査値の「即答パターン」を叩き込む
- Na/K < 27 → アジソン病
- 球状赤血球+自己凝集 → IMHA
- ALP著増+多飲多尿+腹部膨満 → クッシング症候群
- 高Ca血症+リンパ節腫大 → リンパ腫(腫瘍随伴性高Ca血症)
③ 画像問題はパターン認識で対応
X線・エコー画像は「見た瞬間に疾患名が浮かぶ」レベルを目指しましょう。
- 柵状骨膜反応(四肢遠位) → 肥大性骨症 → 肺腫瘍を検索
- 結腸の著明拡張+糞塊 → 巨大結腸症
- 腎臓に多数の嚢胞 → 多発性嚢胞腎
④ 治療法は「第一選択」だけ覚える
すべての治療法を網羅する必要はありません。国試で問われるのは「最も適当なもの」です。
- 毛包虫症 → イベルメクチン or アミトラズ薬浴
- 多中心型リンパ腫 → CHOP系多剤併用プロトコル
- IMHA → 免疫抑制量のプレドニゾロン+アザチオプリン
⑤ ROC曲線・EBMの基礎を押さえる
第77回ではROC曲線の解釈問題が出題されました。これは今後も出題が予想されるテーマです。
- X軸:偽陽性率(1−特異度)
- Y軸:敏感度(真陽性率)
- 曲線下面積(AUC)が大きいほど診断能が高い
- 左上隅に近い点が最適なカットオフ値
まとめ
獣医師国家試験の内科分野を攻略するための要点を整理します。
- 品種と疾患の紐付けを最優先で暗記する
- 検査値の即答パターン(Na/K比、球状赤血球など)を固める
- 画像のパターン認識を繰り返し練習する
- 治療は第一選択のみに絞って効率的に記憶する
- ROC曲線・EBMの基礎概念は確実に得点源にする
内科は範囲が広く感じますが、頻出テーマに集中して対策すれば確実に得点を積み上げられる分野です。本記事で紹介したテーマを軸に、過去問演習を繰り返していきましょう。
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