獣医師になるには?試験の難易度と合格率を徹底解説【2025年最新版】
はじめに:獣医師は「なりたい」だけではなれない
「動物が好きだから獣医師になりたい」——多くの獣医学生が、そんな思いからこの道を志したのではないでしょうか。
しかし、獣医師になるためには6年間の大学教育を修了し、さらに獣医師国家試験に合格しなければなりません。道のりは決して短くなく、試験の内容も幅広い分野にわたります。
この記事では、獣医師になるまでの全体像を整理したうえで、国家試験の難易度や合格率、効果的な勉強法まで徹底的に解説します。これから獣医師を目指す方も、すでに国家試験対策を始めている受験生も、ぜひ最後までご覧ください。
獣医師になるまでのステップ
獣医師免許を取得するまでの流れは、大きく分けて以下の3ステップです。
ステップ1:獣医学課程のある大学に入学する
獣医師国家試験の受験資格を得るためには、獣医学の正規課程(6年制) を修了する必要があります。日本で獣医学課程を設置している大学は、国公立・私立あわせて全17大学しかありません。
| 区分 | 大学数 | 主な大学 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 10校 | 北海道大学、東京大学、東京農工大学、大阪公立大学など |
| 公立大学 | 1校 | 大阪公立大学(旧大阪府立大学) |
| 私立大学 | 6校 | 麻布大学、日本獣医生命科学大学、北里大学、日本大学、酪農学園大学、岡山理科大学 |
各大学の入学定員は30〜160名程度で、全国の総定員数は約1,000名前後と非常に少ないのが特徴です。そのため、大学入試の段階からかなりの競争率となります。
ステップ2:6年間の獣医学教育を修了する
獣医学課程では、以下のような幅広い分野を学びます。
- 基礎獣医学:解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、微生物学、寄生虫学など
- 応用獣医学:内科学、外科学、繁殖学、臨床病理学など
- 衛生・公衆衛生学:食品衛生学、環境衛生学、疫学、人獣共通感染症など
- 臨床実習:大学付属動物病院での実習、産業動物の現場実習など
獣医学は医学・薬学・農学が融合した総合科学であり、学ぶ範囲の広さが大きな特徴です。6年間で膨大な知識と技術を身につけたうえで、卒業(見込み)の段階で国家試験の受験資格が得られます。
ステップ3:獣医師国家試験に合格する
6年間の課程を修了(見込み含む)したら、いよいよ獣医師国家試験を受験します。この試験に合格し、農林水産省に免許申請を行うことで、晴れて獣医師免許が交付されます。
獣医師国家試験の概要
試験の基本情報
獣医師国家試験は、農林水産省が所管する国家試験で、毎年2月中旬に2日間にわたって実施されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時期 | 毎年2月中旬(2日間) |
| 試験形式 | マークシート方式(五肢択一) |
| 出題数 | 330問(必須問題50問+学説問題160問+実地問題120問) |
| 試験科目 | 獣医学の全般にわたる幅広い分野 |
| 合格基準 | 必須問題・学説問題・実地問題それぞれに合格基準あり |
| 受験料 | 13,900円 |
出題分野
出題範囲は非常に広く、大きく以下の分野に分類されます。
- 獣医療の基本的事項(獣医師法、動物愛護法など)
- 獣医学の基礎分野(解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学)
- 獣医学の応用分野(微生物学、寄生虫学、公衆衛生学、毒性学)
- 臨床分野(内科学、外科学、繁殖学、臨床病理学、画像診断学)
- 産業動物・伴侶動物の疾患各論
特に近年は臨床に直結する実践的な問題が増加傾向にあり、単なる暗記だけでは太刀打ちできない問題も増えています。
獣医師国家試験の合格率と難易度
過去の合格率の推移
過去5年間の獣医師国家試験の合格率は以下のとおりです。
| 実施年度(回) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第71回(2020年) | 1,198人 | 915人 | 76.4% |
| 第72回(2021年) | 1,255人 | 1,009人 | 80.4% |
| 第73回(2022年) | 1,236人 | 978人 | 79.1% |
| 第74回(2023年) | 1,262人 | 1,032人 | 81.8% |
| 第75回(2024年) | 1,260人 | 1,013人 | 80.4% |
| 第76回(2025年) | 1,244人 | 973人 | 78.2% |
新卒者の合格率はおおむね85〜92%前後で推移していますが、既卒者(再受験者)の合格率は30〜50%程度と大幅に低下します。
他の国家試験との比較
獣医師国家試験の難易度を他の医療系国家試験と比較してみましょう。
| 国家試験 | 合格率(直近) | 出題数 |
|---|---|---|
| 医師国家試験 | 約92% | 400問 |
| 歯科医師国家試験 | 約66% | 320問 |
| 薬剤師国家試験 | 約69% | 345問 |
| 獣医師国家試験 | 約78% | 330問 |
| 看護師国家試験 | 約90% | 240問 |
一見すると合格率80%前後は「高い」と感じるかもしれません。しかし、以下の点を考慮する必要があります。
- 受験資格を得るまでに6年間の専門教育が必要であり、そもそも受験者の学力水準が高い
- 330問・2日間という試験のボリュームは国家試験の中でもトップクラス
- 出題範囲が伴侶動物から産業動物、公衆衛生、法規まで極めて広い
- 新卒でも約10〜15%が不合格になる厳しさがある
つまり、合格率の数字だけで「簡単」と判断するのは大きな間違いです。十分な準備なしに合格できる試験ではありません。
合格するための勉強法と戦略
1. 早期から計画的に対策を始める
国家試験対策は、できれば5年生の後半〜6年生の春には開始するのが理想的です。330問・膨大な範囲をカバーするためには、短期間の詰め込みでは限界があります。
2. 過去問を徹底的に活用する
獣医師国家試験は過去問からの類似出題が多いことが知られています。最低でも過去5〜10年分の過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握することが合格への近道です。
3. 分野ごとにメリハリをつける
すべての分野を均等に勉強するのではなく、出題数が多い分野や自分の弱点分野に重点を置いた学習が効率的です。
| 優先度 | 分野 | 理由 |
|---|---|---|
| 最重要 | 必須問題の対象分野 | 必須問題は合格基準が厳しく、ここで落とすと即不合格のリスク |
| 重要 | 微生物学・寄生虫学・病理学 | 出題数が多く、得点源になりやすい |
| 重要 | 薬理学・公衆衛生学 | 暗記量は多いが、対策すれば確実に得点できる |
| 要注意 | 臨床各論(内科・外科) | 近年出題が増加、実践的な思考力が求められる |
4. 仲間と一緒に学ぶ
国家試験対策は長期戦です。一人で黙々と勉強するよりも、仲間と問題を出し合ったり、わからない点を教え合ったりすることで、理解が深まりモチベーションも維持しやすくなります。
5. 模試を積極的に活用する
本番形式の模擬試験を受けることで、時間配分の感覚や自分の弱点分野を客観的に把握できます。模試で見つかった弱点を本番までに克服することが、合格への確実な一歩となります。
まとめ
獣医師になるためのポイントを整理します。
- 獣医師になるには6年制の獣医学課程を修了し、国家試験に合格する必要がある
- 獣医学課程を持つ大学は全国に17校のみで、大学入試の段階から競争率が高い
- 国家試験は330問・2日間のハードな試験で、出題範囲は獣医学の全分野に及ぶ
- 全体の合格率は約78〜82%だが、新卒でも約10〜15%が不合格となる
- 既卒者の合格率は30〜50%程度と大幅に下がるため、現役合格を目指すことが極めて重要
- 合格のカギは早期からの計画的な対策と過去問の徹底活用
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